バタバタバタバタ・・・・・
妹(結)の階段を降りるうるさい音で目が覚める。
まだ6時。あと1時間半寝かせてくれ。
7時半に起きて、服を着替え、顔を洗い、髪を整え、リビングの机の上に置いてある食パンを口に頬張り家をでる。よし、シュミレーションはバッチリ。
そんなことを考えてたら夢なのか現実なのかわからない境界線をウロウロして気がついたら7時40分。
時計を見る目を疑うが、現在7時40分、あ、41分。
人生、シュミレーション通りには行かない。
『うをーぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!』
叫びながら結よりうるさい音で階段を降りる。
顔を洗っている時間も、髪を整える時間もない。
トイレで用を済ませたあとに洗った手で顔をこすり、髪をサッサと整え、リビングへ。
いつも置いてある食パンを取ろうとする。
が、食パンがない!
『母ちゃん、食パンは?』
ボサボサの頭をそっちのけでワイシャツを着る。
「あ、ごめん今日切らしちゃってないんだわ。100円置いておくから売店でパン買いな。」
テレビの音楽に合わせストレッチをする母。
(なんて冷たい母親だ。しかも100円て。最近じゃ100円のパンすら珍しいぞ?)なんて思いながら家をでる。
チャリを漕ぐ。漕ぐ。漕ぐ。今日は月曜日だから8時につかなきゃ、担任に締められる。
『ハァハァハァ、くっっっっっっっそー!!ハァハァハァハァ、なんでこんな坂なんだよ!』
学校までの急な坂を立ち乗りで漕ぐ、漕ぐ、漕ぐ。
担任のヤマが校門を閉めにきているのが見えた。
(やっべ!閉められたらただじゃすまない。)
校門が閉められる直前にぎりぎりゴール!
『遅刻じゃないよな』
ドヤ顔で担任にハイタッチをせがむ。
「バーカ、教室についてなきゃ意味ねーんだよ。」
と俺の頭を叩いてダッシュしてどっかへ。
・・・ん?どっかへ(・∀・)?
!!!!!!
『ちっきしょーーーー!遅刻にされてたまるかーーー!』
チャリを自転車置場に置き、教室まで猛ダッシュ。
教室までの近道を俺は知っている。
1年E組の教室を突っ切るのだ。
遅刻にされるよりマシ、という俺の判断が体を動かし、朝のHR中の1年E組の教室を突っ切る。
1年生はキョトンとした顔で俺を見ていたが、そんなのは気にしない。
『どーもー』
ひとこと吐き捨て教室へ向け猛ダッシュ!!!教室に向かうヤマを発見。
(普通に歩いてるーーーーーー)と思ったが勝ち。
ヤマを抜かしてタッチの差で教室へゴール。
『っしゃーーーーーぁ!遅刻じゃないよな!?ヤマ!!!』
教室に入り大きくガッツポーズ。
ドヤ顔を見せてやるとばかりに教室に入ってくるヤマに向かって振り向いた。
振り向いた俺の正面には見たことのない女性の顔が。
『うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!』
思わず叫んでしまった。びっくりした。(鼻と鼻かすったんですけど。)
鼻を押さえてしりもちをついた俺に向かって
「失礼だぞ。お前」
とヤマが俺の頭をポンと名簿で叩く。席に着けの合図。
教室を這って自分の席につく。周りの女子がクスクス笑っているのが聞こえるが気にしない。
「紹介する、今日転校してきた【伊藤英子】さんだ。仲良くしてやれよー。」
黒髪のストレートロング。えくぼが印象的な可愛い女の子。
この転校生、伊藤英子が俺の人生を変えるとはこの時の俺は思いもしなかった。
~Episode 1 fin~
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