2015年8月1日土曜日

伊藤英子が紹介する小説

こんにちは。小さい頃に、小説家になりたいという未来設計を描いてからはや十数年。いまではその未来設計が少しずつ現実のものとなってきつつある伊藤英子です。 昔から本をたくさん読んでいて、未来設計のためにもきっかけづくりが大事なんですよね。 私が読んだ小説の中で感動作を少し紹介しようとおもいます。 何かのきっかけづくりになってくれれば幸いです。 まずはノルウェイの森(村上春樹) 映画化もされ、松山ケンイチ・菊池凜子・水原希子の他にも豪華キャストで注目された100%恋愛小説! 初恋から大人になる過程で死者との関わり方が素敵な作品です。10代の苦悩を象徴するかのような、主人公の青春の記憶、痛み、弱さ、純粋さ、壊れやすさ、などを感じさせられます。周りの人から主人公への「自分に同情するな」「愛する死者に対する痛みを感じ、何か学び、幸せになりなさい」という言葉は心に残ります。村上春樹といったら「海辺のカフカ」も良作品ですよね。 MOMENT(本田孝好) 本田孝之の小説は、推理の要素がふんだんに含まれていて、何気ない物語の中にも読者を驚かせる伏線を必ず仕込んでいます。どの作品も、物語の最後の一文の切れ味がとんでもないです。言葉に寄らない情景描写がとても上手く、思わず物語の先を連想して微笑んでしまう終わり方をします。MOMENTは集英社の夏の文庫フェアでも取り上げられている有名な一冊。物語の舞台は総合病院。そこで掃除夫として働く主人公「神田」が死を目前にした患者たちの最後の願い事を叶える、というもの。彼は病院で陰の仕事人として名を馳せることになります。物語の全体を通して流れるテーマは「死」。神田が仕事をこなしていくにつれて、彼自身も患者たちと同様に「死」について考えるようになります。